痛み・しびれ・麻痺の違い
目次
痛み・しびれ・麻痺の違い
痛み・痺れ(しびれ)・麻痺はよく聞く言葉ですが、これらはどういった違いがあるのでしょうか?
似ているようですが、実は意味合いが結構異なります。
このページでは、それぞれについて解説を加えつつ関係を整理していきます。
それでは、以下で早速みていきましょう。
それぞれの特徴
まずは、ひとつひとつの特徴に触れていきたいと思います。
◇痛み
ズキズキ、ピリピリとかズーンと重く響くようなものまで、痛みを表す言葉は色々あります。
身体には、感覚情報を脳へ伝える神経が張りめぐらされています。
神経の先端にはセンサーがあり、それらが外傷や火傷で刺激を受けると感覚情報が電気に変換されて伝わるのです。
<関連ブログ>
・痛みの仕組み-①痛みとは何か?
・痛みの仕組み-②痛みはどのように感じるか
痛みは、身体に危険を知らせるアラームの役割があります。スマホの緊急速報(Jアラート)みたいなもので、安静にしないと傷が広がって重症化するよと私たちに教えてくれています。
◇痺れ(しびれ)
しびれは、ジンジンとかジワリとした感覚と表現されます。
正座する、重い買い物袋を持って歩く、血圧計を利用する。
こんな時にしびれは現れます。
皆さんも一度は感じたことがあると思います。
これらは、一定の時間が経つと消失するケースが殆どで、翌日に残ることはありません。
買い物の次の日には「しびれ」ではなく、筋肉痛として「痛み」を感じるかもしれませんが、それ自体に問題はありません。
◇麻痺
麻痺は、歯医者で麻酔を注入されたときをイメージするのがよいかと思います。
○○のような感覚というものではなく、むしろ、指で触られても感じなかったり鈍かったりする状態で、知覚鈍麻や知覚脱失と呼ばれています。
神経が強く圧迫される、切断されることで生じます。
感覚を脳に伝える神経が障害されて、信号が遮断されるという訳です。
病院などでは、この状態も「しびれ」として捉えられるケースもありますが、「しびれ」は少なくともジンジンとした感覚を感じているので、両者は明確に区別して考えるのが適切です。
押さえておきたい違い
ここまで、3者の特徴を簡単にみてきました。
次に、それぞれを比較して、特に大切になる違いを解説していきます。
まず、「痛み」と「しびれ」について。
両者は並列に語られることが多く、区別が難しい所です。
実際に、長時間正座した時などではしびれと同時に痛みを感じているケースが多く、共存していることも珍しくありません。
ただ、膝を擦りむいた時の痛みと正座のそれでは痛みの発生要因が異なります。
前者では皮膚や血管が損傷した結果で、後者は血管が圧迫された結果で生じます。
『補足』
3か月ほど続く慢性痛になると、凝り固まった筋肉によって血管が圧迫され、軽度のしびれを自覚することがあります。
また、慢性痛の状態に陥ると筋肉が力を発揮しづらくなり、一見すると麻痺のような症状を呈することもあります。
例えば、慢性腰痛では腰部や殿部に力が入りづらくなり、何となくフワフワとして歩行が障害されます。
次に、「痛み・しびれ」と「麻痺」について。
↑の項で触れましたが、これらは感覚が障害されているか否かで明確に違いがあります。
3者がよくみられる疾患に椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症があります。
神経が圧迫されることで生じる疾患ですが、人によって「痛み・しびれ」が表れたり「麻痺」が表れたりして症状がバラバラです。
神経が圧迫されるのですから、感覚情報が伝わらなくなって麻痺するのはイメージできます。
しかし、痛み・しびれはどうでしょうか?
先に述べたように、神経は先端のセンサーで情報をキャッチしていて、それ以外の場所では何も感じません。
神経の損傷で痛むケースはありますが、基本的に神経は圧迫に強い構造ですので、ヘルニアや狭窄症によって損傷することは非常に稀です。
したがって、これらの疾患で生じるのは麻痺であり、痛み・しびれは別の要因が考えられるということになります。
(もちろん、必ずしも麻痺になる訳ではなく、無症状のことも多いです。)
さいごに
いかがでしょうか。
今回は、痛み・しびれ・麻痺を取り上げ、それぞれの違いについてみてきました。
病院やネット上でもよく聞かれる言葉ですので、混同しないように整理して頂けたらと思います。
少しでも皆様のご理解に繋がれば幸いです。
こはるマッサージ院は、京都府・向日市にある在宅専門の訪問治療院です。
向日市、長岡京市、大山崎町、京都市(西京区・南区など)にお住いで訪問マッサージやリハビリをご希望の方、お身体のことでお悩みの方はお気軽にお問い合わせ下さい!
当院についてはコチラ!