【慢性痛】痛みの仕組み-①痛みとは何か?
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【慢性痛】痛みの仕組み-①痛みとは何か?
“痛み”は日常生活のあらゆる所に潜んでおり、誰しも経験したことがあると思います。
痛みとはどういったものなのか?
ここでは、痛みがどのように発生し、どのように知覚されるのかを少しずつみていきたいと思います。
痛みとは
触覚・温度覚・痛覚etc
私たちが感じる感覚は上に挙げたように多種多様に存在しますが、これらは全て電気信号が神経線維を通り、脳へ伝わることで知覚されます。
(腕をさする、ストーブに手をかざす、足裏で画鋲を踏むなど)
ところで、痛みとはそもそもどういったものなのでしょうか?
国際疼痛学会では、痛みを下記のように定義しています。
「痛みは、実質的または潜在的な組織損傷に結び付く、あるいはこのような損傷を表す言葉を使って述べられる不快な感覚・情動体験である」
つまり、痛みとは「自身が感じる不快な感覚や体験」なのです。
痛みを感じて気持ちが良いという人はいませんよね?
日常生活において、この不快感はできるだけ避けたいものですが、痛みがないと腕を切ったりした際に実は大変困ったことになってしまいます。
痛みの役割
”先天性無痛無感症”という病気がありますが、この病気に罹っている方では痛みの感覚がありません。
痛みがないということは、怪我をしてもそれに気付かないということです。
小さな裂傷ですぐに治癒すれば良いですが、それでも発見が遅れることで重症化し、重大な感染症を引き起こす可能性は否定できません。
このように、受傷直後の痛みは身体に危険を知らせるアラームの役割を持っています。痛みを感じている時には余計な行動を控えるかと思います。
それは、意識的かはさておき、傷口を悪化させないようにするからです。
では、傷口が治っても続く痛みは身体にとって必要でしょうか?
一般的に”慢性痛”と呼ばれていますが、これについては回を改めて解説したいと思います。
痛みは共有できるのか
痛みは不快な感覚や体験と記載しましたが、あくまで主観的なものです。
本人以外、痛みを正確にはかることはできません。
たとえ医師であっても、患者さんの訴えと過去の症例を比較して推測しているに過ぎません。
例えば、腰が大きく曲がった高齢の方でも「痛くない」と仰れば痛みはない。
逆にレントゲンで異常がなくとも「痛い」と仰る場合には、現実として痛みは存在するのです。
痛みは脳・神経で知覚されており、その仕組みは非常に複雑です。
他者と共有が難しい感覚だからこそ、鍼灸マッサージ師として、私自身も患者さんの訴えに対して真摯に向き合いたいものです。
さいごに
いかがでしょう?
何かと嫌われがちな”痛み”の存在意義が、このブログを通して少しでもお分かり頂けたのなら幸いです。
当院は、京都府・向日市にある鍼灸院です。
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