うつ病の原因や症状について
目次
うつ病とは?
うつ病は、「一日中落ち込んでいる・何をやっても楽しくない」という精神症状に加えて「眠れない・疲れやすい・食欲がない」という身体症状が現れる状態で、気分障害の一つとされています。
日本では、およそ100人に6人がうつ病を経験していると言われており、傾向として男性より女性に多く見られます。
また新型コロナウイルスの流行で、生活環境の変化や終わりが見えないことへのストレス・不安感を抱え、いわゆる「コロナうつ」といわれる状態に陥るケースも増加しています。
うつ病の原因
うつ病にかかる原因ですが、はっきりとは分かっていません。
脳内でセロトニンやノルアドレナリンの分泌量が減少することで発症するとされる「モノアミン仮説」が長年有力視され、これを補う方向性で抗うつ薬などの開発がされてきましたが、その後の検証では十分な立証がされていないようです。
その他に、ストレスによって脳内におきた炎症でうつ病などの精神疾患を発症するという「神経炎症仮説」が近年では注目されています。
しかし、どの説も原因として確立されている訳ではなく、今後の研究結果が待たれる状況です。
いずれにせよ、感情や意欲を司る脳の働きが低下していることが指摘されており、つらく悲しいことや結婚、引っ越しのような大きく感情が動かされる出来事がきっかけになることが多いようです。
また、抱えている他の病気によってうつ病となるケースもあり注意が必要です。
うつ病の症状
うつ病の症状は、「こころ」と「からだ」の両方に現れます。
次のような症状が2週間~1ヵ月以上も続くようであれば、うつ病の疑いがあります。
・好きなことに対して興味がなくなる
・何をやっても楽しくない
・人付き合いが嫌になる
・仕事が手につかなくなる
・身だしなみに気を使わなくなる
・一日中気分が落ち込んでいる
・過去の出来事を思い悩む
・物事を悲観的に考えるようになる
・焦ってイライラする
・いろいろと責任だと感じてしまう
・集中力がなくなる
・物事が決断できなくなる
・食欲がなくなる
・性欲が極端に落ちる
・急に体重が減少する
・胃もたれ、下痢、便秘などの胃腸症状がある
・眠りが浅くなったり早朝に目覚めたりする
・微熱や低体温が続く
・体が疲れやすい、常に疲れている
・めまいや耳鳴りの症状がある
・周りの音が過剰に気になる
高齢者にみられるうつ病
うつ病は仕事や学校などでの対人関係が原因になりやすいイメージですが、実は高齢者にもよく見られます。
高齢になると、
・住み慣れた場所からの引っ越し
・経済状況
・持病の悪化
・社会的な孤立
というようにその年代特有の出来事が起こりやすくなり、また自分自身の死も意識するようになります。
これらは避けることが難しいため、慢性的なストレスや緊張を抱えやすい傾向があります。
また高齢者のうつ病では、その他の症状や認知機能の低下によって、うつ症状が見逃されやすいこともあり注意が必要です。
非定型うつ病
近年、「非定型うつ病」という言葉が知られるようになりました。
20~30歳代を中心に増えているうつ病の一種で、「新型うつ病」ともいわれている病気です。
非定型うつ病は、検査で異常がみつからない場合が多く、正しい診断を受けられないこともあります。
これは、従来から認知されてきたうつ病(定型うつ病)とは症状の特徴が異なるからだと言われています。
従来のうつ病では、強い抑うつ感に加えて、もともと興味のあったことや好きなことに対してやる気がおきないという症状がよく見られます。
しかし非定型うつ病では、抑うつ感は強く現れるものの、興味のあることや好きなことに取り組むことができるという違いがあります。
また、不眠より過眠、食欲減少より過食になりやすいという特徴もあり、非定型うつ病が見逃されやすい原因の一つとなっています。
非定型うつ病は、以下のような人が罹りやすいと言われています。
また、症状についても改めてまとめてみます。
・他人の顔色をついつい窺ってしまう
・昔から「良い子・手のかからない子」だった
・責任感が強い
・自己主張が苦手
・他人に甘えられない・助けを求めない
・プライドが高い
・他人に優しい
・気分の浮き沈みが大きい
・夕方に落ち込みやすい
・他人に対してイライラしてしまう
・過食に走りやすく太りやすい
・過眠や昼夜逆転になりやすい
・疲労感が強く身体が重い
・好きなことについては楽しめる
うつ病の治療
〇休養と環境の調整
心身を休めるためにも、休養は非常に大切です。
職場や学校、家庭などで受けるストレスを軽減できるように環境の調整に努めましょう。
(職場での配置転換、残業時間の短縮、家事の分担など)
真面目で責任感が強い人は、うつ病になりやすいため、職場や家族に迷惑をかけてしまうのではないかと考えてしまうかもしれません。
しかし、焦らずに休養をとること、過度な負担にならない環境を整えることが求められます。主治医にもよく相談し、職場・学校・家族などに頼ることも大切です。
また規則正しい生活や散歩などの軽い運動は、うつ病の症状を軽減させることが知られています。
〇薬物療法
主な治療薬は抗うつ薬です。
基本的には継続して服用する必要があり、なかなかすぐには効果が現れません。
主治医の説明をよく聞き、自分の判断で薬の量を変えたり中断したりせず、じっくり焦らずに服薬を継続するようにしましょう。
また副作用など不安なことは、遠慮せずに主治医と相談するのが望ましいです。
〇精神療法
休養・環境の調整・薬物治療を組み合わせることでうつ病から抜け出しやすいといわれていますが、原因となったストレスを振り返り対処法を学ぶことで調子の良い状態を維持し、再発を予防するために行われます。
一般的には、「認知行動療法」や「対人関係療法」などが活用されています。
さいごに
いかがでしょうか。
今回はうつ病・非定型うつ病について解説してきました。
現代社会は便利になった一方で、ストレスを感じる機会もまた増えています。
こころの病は自分にしか分からない場合が多く、どうしても抱え込んでしまいがちです。
こころの不調はからだにも影響してきます。
まずは専門の病院などで自身の状態を正しく把握ことが大切です。
決して焦らずに少しずつ心身の健康を戻していきましょう。
こはるマッサージ院は、京都府・向日市にある在宅専門の訪問治療院です。
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